豆本(よりちょっと大きい)が出来ました。
『スープ・ファンタジー』 有賀薫 スープと写真、 五十嵐彪太 文
有賀薫さんが作る毎朝のスープ、それに私が超短編を書きました。
2013年6月頃から企画を開始し、7月から8月に書けてスープの話を書き溜めました。
本に採用したのはそのうちの半分ほどなので、採用しなかったものをここに残そうと思います。
記事の日付は執筆した日付になりますので、ブログトップには表示されません。
カテゴリー「スープの話」から御覧ください。
2014年4月8日火曜日
四月八日 図書館までの道のり
となり町の図書館へは、電車で三駅、徒歩十五分。
初めて行くのに、地図を持っていない。
けれど、心配はいらなかった。駅を降りてからの道のりは、鶏が案内してくれた。
鶏は、帰りも待っていてくれた。行きとは違うルートで、桜の綺麗な道を通る。散りゆく桜は好きだ。
「お腹が空いたなあ」と呟いたら、鶏塩ラーメンの美味しいお店を教えてくれた。
2014年4月6日日曜日
2014年4月1日火曜日
2014年3月30日日曜日
三月三十日 旅立たない傘
折りたたみ傘が旅に出たいと騒ぐ。風が強いせいだろうか。新しい傘に嫉妬しているのかもしれない。
私は必死に傘を持つ。でも、心のどこかで、傘のしたいようにすればよいじゃないか、と思っている。
そんな瞬間にいっそう強い風が吹き、傘はおちょこになってしまう。
それでも私にはこの傘が必要なのだ。電車に乗る度、屋内に入る度、私は折り畳み傘を丁寧に畳み、カバーを着ける。
畳まれた傘は少し泣く。
2014年3月27日木曜日
三月二十七日 白いものたち
白い花が一面に散らばっている。雨に濡れた辛夷の花。
花を落としてしまった辛夷の樹は、茫然自失で雨に打たれている。
「気持ちがわかるなあ」
樹を見上げながらウサギは言う。
「ウサギの花はどこに咲くのだ?」
からかってみたものの、白い花びらの中で佇むウサギと辛夷は確かによく似た気配で、しばし見惚れる。
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