2014年4月30日水曜日

四月三十日 レインブーツブギウギ

雨の日の外出は少し憂鬱で少し楽しみだ。雨はイヤだけれど、気に入りの傘とレインブーツをお供に出かけられるからだ。


レインブーツは私なんかより、もっとウキウキしていたらしい。


興奮しすぎた右足は左足を踏み、私は危うく階段を転げ落ちるところだった。


おかげで私は道中ずっと、レインブーツに説教し続けなければならなかった。


そうでもしなければ今にもチグハグなスキップをしそうだったから。



Rain‐Boots ☆Boogie-woogieというタイトルで以前にも書いたことがある。


たぶん、おかあさんといっしょの「ボログツブギ」の記憶(好きだった)せい。


2014年4月28日月曜日

四月二十七日 栗と歯

栗の町へ行き、栗のパイを土産に買った。


ウサギはおいしそうにパイを食べていたが、一口食べるそばから、次々歯が抜ける。


私は心配になって、ウサギの口の中を覗きこんだが、抜けた歯はもう生えている。


ほっと一安心したが、よくよく見れば、どこもかしこも虫歯だらけなのでペチンと頭を叩いてやった。


 



2014年4月23日水曜日

四月二十三日色の色

いつもより強い色ばかり作っていることに気がついたのはウサギだった。


「妙な色だな、悪くはないけど」と。


赤、青緑……それもずいぶん濃い。私はそんな色を四回作ってから、やっといつもの色を取り戻した。


ウサギは「あ、戻ってきた」と呟いた。


「疲れてたのか?」とも呟いた。


たまにはこんな色も出るのだ、私でも。こんな色が出るなら、時々疲れるのも悪くない。


手を絵の具で汚した後は、ずいぶんすっきりした。



2014年4月11日金曜日

四月十一日

「樹木が年輪を重ねることと、古い本の頁を捲ることは似ている」


と、今日もウサギは頓珍漢なことを言っている。二杯目のアールグレイを飲みながら。


「少し寒い春の夜に、チーズを食べることは正しい行いだ」


それはちっとも頓珍漢ではない。



2014年4月9日水曜日

スープの話のこと

豆本(よりちょっと大きい)が出来ました。


『スープ・ファンタジー』 有賀薫 スープと写真、 五十嵐彪太 文


 


有賀薫さんが作る毎朝のスープ、それに私が超短編を書きました。


2013年6月頃から企画を開始し、7月から8月に書けてスープの話を書き溜めました。


本に採用したのはそのうちの半分ほどなので、採用しなかったものをここに残そうと思います。


記事の日付は執筆した日付になりますので、ブログトップには表示されません。


カテゴリー「スープの話」から御覧ください。


http://maruta.be/keren/soup



2014年4月8日火曜日

四月八日 図書館までの道のり

となり町の図書館へは、電車で三駅、徒歩十五分。


初めて行くのに、地図を持っていない。


けれど、心配はいらなかった。駅を降りてからの道のりは、鶏が案内してくれた。


鶏は、帰りも待っていてくれた。行きとは違うルートで、桜の綺麗な道を通る。散りゆく桜は好きだ。


「お腹が空いたなあ」と呟いたら、鶏塩ラーメンの美味しいお店を教えてくれた。



2014年4月6日日曜日

四月四日 針葉樹

雨と追いかけっこしながら、針葉樹の葉を集めた。


樅、松、櫟、杉、檜。


葉の形と漢字の形を見比べる。


雨に追いつかれたので、走って帰った。葉を握りしめて。



一昨日のこと。


2014年4月1日火曜日

四月朔日 四月馬鹿

ウサギがメモ用紙に何か書き付けては、グチャグチャと丸めて投げ捨てている。


「ウサギってのは本来ニャーと鳴くのだ」


「ウサギってのは本来月で繁殖するのだ」


「ウサギってのは本来一羽二羽と数えない」


なかなか上手い嘘が思いつかずにイライラしているウサギを置いて、隣町まで散歩に出かけた。


桜が満開だから、大根を買った。