願譚 146

何をもって「大きくなった」とするのか、「大きくなったらカブトムシになりたい」と書いた子に訊きたい。

願譚 145

世界中のコードやケーブル、いっぽん残らず猫を配置したい。

願譚 144

笹舟で旅立つ友に対抗して、紙風船の気球を作りたい。

願譚 143

巨大なたんぽぽが咲いたと聞いたので、綿毛になったら掴まって風に乗りたい。

願譚 142

放浪する町を止めるために、町の電源ケーブルを噛み千切る鼠を雇いたい。

願譚 141

 段々と細くなる螺旋階段を降りて行った先端で、眩暈の向こうを覗き見したい。

願譚 140

 交通手段が風船か気球という町に、飛行船で乗り込みたい。

願譚 139

すべての階段が鍵盤の町で、黒鍵だけ踏み鳴らして駆け上がりたい。

願譚 138

「黄金虫よ、私の気分とは無関係に頭の上を景気よく飛び回っておくれ」と頼みたい。