2017年9月27日水曜日

九月二十七日 黒板と白墨

白墨を持つのなんて、何十年ぶりだろうか? 黒板に白墨が擦れる感触を味わう余裕もなく、「字が小さくならないように」ということばかり気にして、覇気のない白い文字を書き連ねる。「漁師芸術の採光」という美術展のお知らせ。会期は明後日から二週間。招待券はない。

2017年9月26日火曜日

九月二十六日 詩集

一度読んで、そっと閉じた詩集があった。カタツムリが無音でしゃべる詩が延々とつづいた。
音のない詩なのにページを繰る音ばかりがだんだんと大きくなるので、それが爆音にならないうちにとそっと閉じたのだった。
その詩人の本をまた手にとった。9年ぶりだった。今度は子猫がしゃべる詩がつづく詩集で、無音ではなかった。ページを繰る音は、聞こえなかった。

2017年9月9日土曜日

九月九日 チャチャチャ

見知らぬ学生街を散歩した。かわいらしいお菓子屋を覗くとお茶が出た。甘くて濃いミルクティーだった。
素敵な雑貨屋にいくと、お茶が出た。香り高い煎茶だった。飯碗を買った。
紅茶屋を覗いたら、もちろんお茶が出た。秋の香りのする紅茶だった。
さて、そろそろ帰りましょう。と駅の改札を通ったら、駅長がお茶を振る舞っていた。ホームで茶会が始まった。