超短編
古布の端切れを縫い合わせた夜具に包まれ、毎晩ひとつ、古布の語る昔話を聞きながら眠りたい。(44字)
晩夏の夕暮れ、シャボン玉で出来た泡風呂に入りたい。(25字)
世界各国の蜂蜜を揃えてじっくり味わった後は、世界各国の女王蜂に謁見して蜂蜜のお礼を言いたい。(46字)
点眼薬がバス停に落ちていたので、停車するバスのヘッドライトに点眼して日頃の運行を労いたい。(45字)
記憶に固執しないため、フニャフニャのカレンダーとグニャグニャの時計を壁に掛けて、ドーナッツを6個食べたい。(53字)
箸やフォークが当たると音楽が鳴るように、 世界中の丸くて平たい皿にこっそりと細い溝を切りたい。(46字)
唐草文様を指でなぞっていたら、いつの間にか本当に蔓草がそこらじゅうを這い回っているから、蔓の根本を探す旅に出たい。(57字)