四月某日、曇。起き抜けに紅茶を淹れる。棚には二種類の白いティーカップが並んでいる。温かい白のものと、冷たい白のものだ。久しぶりに冷たい白に手を伸ばす。この部屋に射し込む光には温かな白のティーカップが似合う。だが薄暗い春の朝は冷たい白のティーカップから立ち昇る湯気の中で過ごしたい。(140字)
2025年4月23日水曜日
2025年4月14日月曜日
#春の星々140字小説コンテスト「原」未投稿作品
決断を迫られると脳裏にシーソーが浮かぶ。私はシーソーに座り、向かいに誰か来るのを待っている。ガトーショコラかモンブランで迷っている今も。「ショートケーキ」また心にもないことを言ってしまった。砂場とシーソーだけの小さな公園、私の原風景。家族の誰に聞いてもそんな公園はなかったという。
2025年4月13日日曜日
#春の星々140字小説コンテスト「原」未投稿作
夜明け前、腹の音で目が覚めた。猫の鳴き声のような音。酷い空腹感。隣で寝ている夫をつっつき腹を撫でてもらう。音は「ゴロゴロ」に変わって、私は心穏やかに再び眠る。昼近くに目覚めると夫は猫を抱いていた。「明け方、原っぱでお腹を空かせて鳴いていたよ」猫は私の腹に飛び乗って、喉を鳴らした。
2025年3月10日月曜日
2025年3月9日日曜日
2025年3月7日金曜日
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