超短編
和紙には白く小さな精霊が棲む。粗忽者の私は墨を磨り、筆を手に取ってからも忙しない。心を静めようと目を閉じた途端に手洗いに立つのも日常だ。勢いよく立ち上がり、机が揺れ、筆が転がり、墨が飛ぶ。和紙の精は墨の雫を捕まえ、雪のように白い紙にそっと落とし、幽玄な滲みを作って私を嘆息させる。(140字)