超短編
棲む者がいなくなった家の片付けを頼まれ、古い家に入る。子供の頃にはよく来ていた家だ。「欲しい物があれば持って行きなさい」と言われていた。まだまだ使えそうな物もあったが持ち主の声が聞こえそうな物を選んだので、日焼けした詩集、黴臭いネクタイ、欠けた酒器、そんな古びた物ばかりになった。