まわりを見渡して溜め息をついた。
ここにいる大半の人が不安や気詰まりを感じているのだろうか。
普段なら思いもよらないことを自分に話かける。
病室を出て喫茶コーナーで味のしないコーヒーをすすっている。
見舞いというのは身内の病状とは無関係に、どこまでも手持ち無沙汰なものだ。
さらに、よその患者とその家族の内情が見えてしまうことが、私には切なすぎた。
気を紛らわすため用もないのに院内を歩き回り、お茶を飲む、振りをしている。
さてと、冷めたコーヒーを飲み干して、行かなければ。
新しい死との出会いが待っている。
2002年6月29日土曜日
2002年6月28日金曜日
2002年6月26日水曜日
師走の珈琲
ブラックコーヒーを飲みながら、ベランダに出て身震いした。
真冬の真夜中、寒くないわけがない。おかげで目は覚めた。
自分の息とコーヒーの湯気でオレの目の前は霜色になった。
「ちょっとそのコーヒーをひとくち飲ませてくださらんかの?」
白い湯気の中から、これまた白い顔のオッサンがニュっと現れて、そう言った。
オレは相当、面食らったが「どうぞ、寒いですからね」と言ってコーヒーカップを渡した。
彼は実に美味そうにコーヒーを飲み、「メリークリスマス!」と言って、消えた。
ここが二階なのは関係ないんだな、あの白髭のオッサンには。
オレは、クックックとひとしきり笑ったのだった。
真冬の真夜中、寒くないわけがない。おかげで目は覚めた。
自分の息とコーヒーの湯気でオレの目の前は霜色になった。
「ちょっとそのコーヒーをひとくち飲ませてくださらんかの?」
白い湯気の中から、これまた白い顔のオッサンがニュっと現れて、そう言った。
オレは相当、面食らったが「どうぞ、寒いですからね」と言ってコーヒーカップを渡した。
彼は実に美味そうにコーヒーを飲み、「メリークリスマス!」と言って、消えた。
ここが二階なのは関係ないんだな、あの白髭のオッサンには。
オレは、クックックとひとしきり笑ったのだった。
2002年6月25日火曜日
2002年6月23日日曜日
学生街の喫茶店
若いお客さんが多いんだ。ここらあたりは三つも大学があるからね。
喫茶店に入るのを、ちょっと緊張してなさるお客さんも多い。
ふぁーすとふーどの店に入るのとは勝手が違うんだね。
お嬢さん方や、ひとりでフラっとくる青年もおるし、恋人同士もある。
私から見れば、みんな、孫のようなかわいらしいお客さんだよ。
だから、私は、なるべくかわいい声を出してお客さんを迎えるんだ。驚かすといけないから。
ゆったりと贅沢な時間をすごしてほしいから、はじめの一声が肝心だ。
そして、お見送りの時には元気な声で「また、おいで」と言うんだよ。
ほんのすこーしだけ大人になった彼らの背中に向かって。
喫茶店に入るのを、ちょっと緊張してなさるお客さんも多い。
ふぁーすとふーどの店に入るのとは勝手が違うんだね。
お嬢さん方や、ひとりでフラっとくる青年もおるし、恋人同士もある。
私から見れば、みんな、孫のようなかわいらしいお客さんだよ。
だから、私は、なるべくかわいい声を出してお客さんを迎えるんだ。驚かすといけないから。
ゆったりと贅沢な時間をすごしてほしいから、はじめの一声が肝心だ。
そして、お見送りの時には元気な声で「また、おいで」と言うんだよ。
ほんのすこーしだけ大人になった彼らの背中に向かって。
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