2002年6月30日日曜日

長い一日

まわりを見渡して溜め息をついた。
ここにいる大半の人が不安や気詰まりを感じているのだろうか。
普段なら思いもよらないことを自分に話かける。
病室を出て喫茶コーナーで味のしないコーヒーをすすっている。
見舞いというのは身内の病状とは無関係に、どこまでも手持ち無沙汰なものだ。
さらに、よその患者とその家族の内情が見えてしまうことが、私には切なすぎた。
気を紛らわすため用もないのに院内を歩き回り、お茶を飲む、振りをしている。
さてと、冷めたコーヒーを飲み干して、行かなければ。
新しい死との出会いが待っている。