夜明け前、腹の音で目が覚めた。猫の鳴き声のような音。酷い空腹感。隣で寝ている夫をつっつき腹を撫でてもらう。音は「ゴロゴロ」に変わって、私は心穏やかに再び眠る。昼近くに目覚めると夫は猫を抱いていた。「明け方、原っぱでお腹を空かせて鳴いていたよ」猫は私の腹に飛び乗って、喉を鳴らした。
2025年4月13日日曜日
2025年3月10日月曜日
2025年3月9日日曜日
2025年3月7日金曜日
2025年3月6日木曜日
2025年2月2日日曜日
冬の星々140字小説コンテスト「重」未投稿作
朝日の射し込む部屋でスピーカーのコーンが力強く跳ねている。徹夜で作った曲のはずだが、何かがおかしい。スピーカーから繰り出される重低音の激しいリズムに撃たれ、立っていられなくなった。寝転がると徐々にリズムは緩やかになり、私のようで私ではない美しい歌声に包まれていく。音楽に眠らされる(140字)
2025年2月1日土曜日
冬の星々140字小説コンテスト「重」未投稿作
庭に埋められ空襲を逃れたという重箱に、おせちを詰めていく。かれこれ百年経つ筈だが、欠けも剥げもなく見事に四角い。だが今年、同じ寸法で一段だけ誂えた。やはり与の段で菜箸が止まる。盛り付けようとすると煮しめの人参が、蓮根が、弾かれ宙を舞う。飛翔人参は華麗に新重箱に着地した。拍手喝采。(140字)
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