2025年11月26日水曜日

暮らしの140字小説48

十一月某日、晴。冷え込む夜だ。北のから複数の消防車と思しきサイレンが近付いてくる。炎も煙も見えない。南からも多数のサイレンが近付いてくる。焦げ臭いかと鼻を利かせても冷たい夜風が鼻腔を通り過ぎるだけ。南北からのサイレンは更に増殖し融合した。一時の大音響の後、西方へ遠ざかっていった。