超短編
十一月某日、晴。来年の手帳を用意する。黒い表紙の小さな手帳だ。いつもの文具店で毎年同じものを求めて、8冊目となった。早速いくつかの予定を書き入れる。新しい手帳だからといって、丁寧な字で書くこともしなくなった。少し迷ってから誕生日に印を付ける。来年も変わり映えのない年であるように。