超短編
十一月某日、曇。手袋を買った。右手用の手袋だ。これもいつもと同じ店に注文して、今日届いた。左手用の手袋は今年は買わない。どうしても利き手である右手の手袋のほうが傷みが早い。利き手、というだけではない気もする。右手には敵が多いのだ。鳥、あれは私の右手に輝く羽根を刺そうと狙っている。