2025年5月12日月曜日

暮らしの140字小説13

五月某日、雨。布巾を煮洗いする。金盥の中でグラグラ煮立つ布巾。地獄の釜の番をしている気分。濯いで絞るのはあまり好きではない。濡れた布というのはどうしてか手に不快だ。白くなった布巾を乾燥室に干す。外は雨だが晴れ晴れとした光景である。布巾の洗濯というのは斯くの如く忙しないものである。(140字)