超短編
茸汁がおいしく出来たので、道に迷って腹を空かせた旅人に振舞いたい。(33字)
古びたレコードのプチプチ音を収集して、瓶詰にしたい。(26字)
祖母の家の勝手口の扉が付喪神になりつつあるようで、勝手なことを言い出したので、口を慎むよう叱りたい。(50字)
庭の虫の声が例年になく音痴なので、コオロギ男爵を指揮者に迎えたい。(33字)
素敵な手鏡が欲しいのに、なかなか気に入るものが見つからないので、お月様をピカピカに磨いて、綺麗に映る鏡にしたい。(55字)
ちょうどお茶をカップに注ぐ頃に帰られてしまうと思うが、よい茶葉が手に入ったので、お茶会にウルトラマンを招待したい。(57字)