朝日の入る窓に簾を掛けたら、日焼けするからイヤだと簾が拗ねる。
日焼け止めを塗ってもまだ拗ねるので、紐であっちこっち縛ってやった。
老人が書き残した古代の仮名は、「ワ」と「リ」と「イ」だった。
何を謝っているのだろうか、と考えながらの帰り道、四人の知らぬ人に「スミマセン」だの「失礼しました」だの謝られて、
益々持って意味がわからない。あまり謝られてばかりいるのも不安になるものだ。
おもわず「ただいま」というところを「ごめんなさい」と言ってしまった。
十五年ぶりに交換した古いラグマットは空飛ぶ絨毯だったらしい。
切り刻んで処分しようとカッターを持ってきた途端、飛んで逃げてしまった。
あんなに汚いままで大丈夫だろうか。掃除機くらい掛けてやればよかった。
「ポテト怪人が取り憑いているぞ」と、ハンバーガーショップでフライドポテトを絶え間なく食べる私に、ウサギは言った。
「まあ、じゃがいも好きだし」と言いながら、フライドポテトを食べる。
数時間後、夕食の支度を始めて迷わずじゃがいもを手に取る。
「ほら、ポテト怪人が取り憑いてる」
「取り憑いているって、どこに?」
ウサギは私のくるぶしを指さした。