2014年7月29日火曜日

七月二十九日 簾

朝日の入る窓に簾を掛けたら、日焼けするからイヤだと簾が拗ねる。


日焼け止めを塗ってもまだ拗ねるので、紐であっちこっち縛ってやった。



2014年7月27日日曜日

七月二十五日 太古からの謝罪

老人が書き残した古代の仮名は、「ワ」と「リ」と「イ」だった。


何を謝っているのだろうか、と考えながらの帰り道、四人の知らぬ人に「スミマセン」だの「失礼しました」だの謝られて、


益々持って意味がわからない。あまり謝られてばかりいるのも不安になるものだ。


おもわず「ただいま」というところを「ごめんなさい」と言ってしまった。



2014年7月21日月曜日

七月二十日 ラグマット

十五年ぶりに交換した古いラグマットは空飛ぶ絨毯だったらしい。


切り刻んで処分しようとカッターを持ってきた途端、飛んで逃げてしまった。


あんなに汚いままで大丈夫だろうか。掃除機くらい掛けてやればよかった。



2014年7月11日金曜日

七月十一日 雲の間

瞬く間に重暗い雲が現れた。雨が振り出さぬうちに帰ろうと、空を見上げながら早足で歩く。


厚い雲の隙間から、傘が見えた。「え?」と思って目を凝らすと、やっぱり傘だった。よく見ればあっちにもこっちにも傘がある。


雲の上の人は、どうやって傘を使うのだろう。そんなことを考えていたら、いつの間にか歩みが遅くなってしまった。


ああ、雨が降ってきた。どんなに目を凝らしても、もう雲間に傘は見えない。



2014年7月4日金曜日

七月四日

飲むべき薬を飲む日までのカウントダウンが始まった。


相応しい梅雨空。



製作モードに入ると書きたくても言葉が出てこなくなります。


ってなことで、こちらで製作日記を書いています。


2014年6月30日月曜日

六月三十日輪っか

ウサギが何やら葉っぱを体中にくっつけて帰ってきた。


「茅の輪、くぐってきた」と言う。たまには気の利いた冗談を言うものだ。


こちらは、虹色の輪をどうやって作るか、一日中悩んでいた。


明日から七月。



2014年6月25日水曜日

六月二十五日 ポテト怪人

「ポテト怪人が取り憑いているぞ」と、ハンバーガーショップでフライドポテトを絶え間なく食べる私に、ウサギは言った。


「まあ、じゃがいも好きだし」と言いながら、フライドポテトを食べる。


数時間後、夕食の支度を始めて迷わずじゃがいもを手に取る。


「ほら、ポテト怪人が取り憑いてる」


「取り憑いているって、どこに?」


ウサギは私のくるぶしを指さした。