2007年8月30日木曜日

咆哮搏撃

じいさんがゴンゴンとゴングを大音響で打ち鳴らすから
「言語道断!この老いぼれが!」と人々は大喝一声した。
それでもじいさん、金剛不壊。かまわず人々をぶち打擲した。

 
There was an Old Man with a gong,
Who bumped at it all day long;
But they called out, ‘O law!
You’re a horrid old bore!’
So they smashed that Old Man with a gong.

エドワード・リア『ナンセンスの絵本』

2007年8月29日水曜日

汚物に溺れるお帽子

お嬢ちゃんのお帽子に小鳥さんがお尻を乗せるから、お帽子は汚物まみれ。
それでも彼女は
「ご心配に及びませんわ。お空のすべての小鳥さん、おいでなさい!」 


There was a Young Lady whose bonnet,
Came untied when the birds sate upon it;
But she said: ‘I don’t care!
All the birds in the air
Are welcome to sit on my bonnet!’

エドワード・リア『ナンセンスの絵本』

2007年8月28日火曜日

八月二十八日 皆既月食

蘇芳の月の出現を、稲妻が阻んだ。

2007年8月27日月曜日

丘の上の馬鹿

丘の上の老人、留まることを知らない。
彼の祖母のボロを着て、上へ下へと走り回る。
おめかしも台無しな丘の上の老人。 


There was an Old Man on a hill,
Who seldom, if ever, stood still;
He ran up and down,
In his Grandmother’s gown,
Which adorned that Old Man on a hill.

エドワード・リア『ナンセンスの絵本』

2007年8月25日土曜日

鼻を鼻であしらう

鼻高々のこの老人は
「この鼻のことを長いと言う奴ァ、端から胡散臭いね」
と鼻であしらう。
実に鼻持ちならない、この老人。 


There was an Old Man with a nose,
Who said, ‘If you choose to suppose,
That my nose is too long,
You are certainly wrong!’
That remarkable Man with a nose.

エドワード・リア『ナンセンスの絵本』

2007年8月22日水曜日

八月二十二日 二子玉子

必ず、黄身が2つ入っているという卵を買ってきた。
それは本当に本当で、いくつ割っても黄身が2つ入っていた。
とても得した気分だ、と満面の笑みでウサギはゆでたまごを食べている。
私はゆでたまごが苦手だから、温泉卵にして食べる。黄身を潰して、醤油を垂らす。おいしいけれども黄身が2つのヨロコビは、ない。

2007年8月20日月曜日

八月十九日 美しい骨

火葬にされたばあちゃんは、標本の骸骨より完璧な骸骨で、湯気が出ているのにも構わず起き上がって踊りはじめた。