2018年11月19日月曜日

11月19日 入れ替わりサンド

サンドイッチが食べたくなった。
私が好きなのは、ハムサンド。
卵サンドは好きじゃないから、拾わない。
けれど、ハムサンドはあんまり落ちていないのだ。
あちこち散歩して、やっと拾ったハムサンドを持って帰る。
もちろん、コンビニやスーパーだって見たよ。
最初から拾うつもりだったわけじゃない。
だけど、どういうわけか、今日はコンビニやスーパーのサンドイッチの冷蔵棚には、落ち葉が冷えていたんだ。秋だね。

2018年11月16日金曜日

11月16日 動く温度計と動かない温度計

我が家の動く温度計が、本格的な寒さを観測した。
動かない温度計によると、現在の室温22度。
なるほど、動く温度計の「寒い」は22度と判明した。
来冬は動かない温度計を見ずとも温度がわかるはずだ。
私はといえば、動く温度計のおかげで、重くて動けないし、おまけに、ちょっと暑い。

2018年11月9日金曜日

二世役者

石飛功という三枚目俳優が主演の、昭和56年開始ドラマ「石飛荘十二人の住人」を、このほど瓜二つの息子、石飛研一が引き継いだ。
親子はあまりにもそっくりで、昭和のリマスター再放送が始まったと思っている視聴者が大半である。

2018年11月1日木曜日

新種目

選手は麗しい衣装を着て、華麗に料理を作り、テーブルセッティングをして、そのままマラソンをするという競技が、異世界のオリンピックで大人気だそうだ。
観客は、マラソンを観戦しながら、ごちそうを食べる。
選手は、競技場に戻ってきても、自分の作った料理が残っているとゴールできない。料理が無くなるまで走り続けなければならないのだ。
私は異世界にオリンピックがあることに驚き、いろいろと訊きたかったのだが、異世界人は、どれだけごちそうがおいしくて大量なのかをひっきりなしに語るので、口を挟めなかった。

2018年10月26日金曜日

秋深まる

午睡から覚め目の前にあった掌、肌理がよく見える。
粗く、見慣れない、自分のものとは思えない、中年の掌。
自分のものでないなら、その筋は誰か歩いた道かもしれない。微細な虫が歩いたかもしれない。
いや、やはりこれは自分の掌だ。四十回近い数の秋を過ごした掌だ。

2018年10月21日日曜日

モノレール

遊園地から最寄り駅まではモノレールが便利だ。遊園地に何をしに行ったかは、もう忘れたけれど、私はいま、モノレールに乗っている。
平日の昼間、モノレールは空いている。私と、知らないおじさんが一人。
おじさんは私の隣に座って話しかけてくる。なんてことのない世間話で、適当な相槌を打つ。
最寄り駅の空中に着いた。降りるときに、母が忘れた買い物バッグが先頭の座席にポツンと置かれていることに気が付いた。
かつて私が着ていた服で作った買い物バッグだから、母のものに間違いない。野菜や卵が入っている。遊園地はスーパーマーケットではないはずだが。
モノレールを降り、頼りない外階段を長々と降りると、最寄り駅の改札だ。
見上げるとモノレールの線路は消えている。
このまま実家に行き、買い物バッグを母に届けることにする。

2018年10月4日木曜日

爆音

ヘリコプターがひっきりなしに飛んでくる。
「うるさいなぁ」
と呟いたら、猫が大あくびしてから、ゴロゴロ言い出した。
猫のゴロゴロはどんどんクレッシェンドして、もっともっとクレッシェンドして、ついにヘリコプターの音をかき消すくらいの激しいゴロゴロになった。
どんなに爆音でも猫のゴロゴロは猫のゴロゴロで、眠い。
ヘリコプターの音は静かになったから、たぶんヘリコプターも眠たくなったんじゃないかな。ヘリコプターが居眠りしたらどうなるかは、知らないけど。