懸恋-keren-
超短編
2015年7月3日金曜日
ムライハウス
入居者が部屋を捜して彷徨うアパートメント。今日も黙々と増改築を進めるムライ氏だが、誰も彼の顔を知らない。
妄想二人展
耳とお散歩ごっこ
「さあ、お散歩に行きましょう?」 囁かれた耳は、聞こえない振りでささやかに抵抗する。
妄想二人展
加世子の足
リボンで着飾った足、少しは大人っぽくなっただろうか。どんなに優雅な振りをしても、貴方の顔に乗せると幼さが際立つような気がして、少し怖い。
妄想二人展
インナーチャイルド
醜い私があちらこちらに落ちているのは見ないことにして、私は私をあやす真夜中。この私は、笑いもしなければ、泣きもしない。
妄想二人展
散歩の時間
道端に時間が落ちている。拾って歩くと、両手が時間で一杯になる。寝ている猫にやってしまおうか、それともあの子にあげようか……。
妄想二人展
雑貨店
魅惑的な雑貨の数々に目が眩む。ひとつひとつじっくりと見ていたら時間を忘れた。どうやら長居し過ぎたらしい。店主はごそごそと棚の一角を空け、私を陳列した。
妄想二人展
吉報
実りの季節、世界に吉報が巡る。吉報が饒舌に「何故これがよい便りなのか」を語るせいで、世界は少しずつ歪になる。
妄想二人展
新しい投稿
前の投稿
ホーム
登録:
投稿 (Atom)