ミックスサンドに、卵は無くてはならないものだろうか? いや、そんなことはない。私はゆでたまごがきらいなのだ。いつも卵サンドはウサギにくれてやる。今日のカフェのミックスサンドには卵は入っていなかった。とてもよいサンドイッチだ。ウサギはおもしろくなさそうだったけれど。
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2015年5月12日火曜日
2015年5月11日月曜日
2015年5月1日金曜日
山猫の注文
真夜中である。ブンブンと尻尾を振り回しながら、猫が近寄ってきた。
「ちょいと頼みがある」と、猫は言った。私は猫の言うことが理解できた自分が理解できない。猫を見下ろしたまま、立ちすくむ。
「まず、おれは、猫ちゃんじゃない。山猫である」
はあ。山猫がなんでここに。
「野暮用である」
相変わらず尻尾を振り回している。
「山猫は尻尾を高速回転させると、人語が操れるのだ。町の猫ちゃんにはできない技だ」
と、言うと、尻尾を止めて鳴いてみせた。
ニャー
「おれたち山猫は、誇り高き山の山猫。一度でいいから、かつお節を食べてみたい」
え?
どうやら「山猫は町の猫ちゃんよりも偉いから、猫ちゃんの食べるものを知らないわけにはいかない」という理屈らしい。
山猫は相変わらず何か盛んに話しているが、だんだんと尻尾の勢いがなくなってきて、ところどころしかわからない。
「ニャーちゃんとニャーがニャーかわいいニャーかつおニャー山猫だニャーニャニャー」
そう言いながら、山猫は通りがかった美人の白猫にフラフラと付いて行ってしまった。春である。
架空非行 第10号
「ちょいと頼みがある」と、猫は言った。私は猫の言うことが理解できた自分が理解できない。猫を見下ろしたまま、立ちすくむ。
「まず、おれは、猫ちゃんじゃない。山猫である」
はあ。山猫がなんでここに。
「野暮用である」
相変わらず尻尾を振り回している。
「山猫は尻尾を高速回転させると、人語が操れるのだ。町の猫ちゃんにはできない技だ」
と、言うと、尻尾を止めて鳴いてみせた。
ニャー
「おれたち山猫は、誇り高き山の山猫。一度でいいから、かつお節を食べてみたい」
え?
どうやら「山猫は町の猫ちゃんよりも偉いから、猫ちゃんの食べるものを知らないわけにはいかない」という理屈らしい。
山猫は相変わらず何か盛んに話しているが、だんだんと尻尾の勢いがなくなってきて、ところどころしかわからない。
「ニャーちゃんとニャーがニャーかわいいニャーかつおニャー山猫だニャーニャニャー」
そう言いながら、山猫は通りがかった美人の白猫にフラフラと付いて行ってしまった。春である。
架空非行 第10号
2015年4月17日金曜日
夢 透明なキャリーバッグ
私は旅行会社でキャリーバッグを借りる。保証金5400円を払う。無事に返せば戻ってくるという。
キャリーバッグは透明のプラスチック製で、100円ショップで売っているドキュメントケースを巨大にしたような代物である。ちゃちなキャスターが付いている。頑丈さに不安を覚える。キャリーバッグの中には、歯ブラシやらコップやら、歯磨き機能が満載であった。ジェットウォッシャーや水のバッグもついていて、水道がないところでも使える仕様らしい。
結局、私はキャリーバッグに荷物を入れることができなかった。大きなボストンバッグとその歯磨き用透明キャリーバッグを抱え、バスに乗る。人々の視線が痛い。やはり荷物を入れたほうが歯磨き用具は目立たなかったか……。
駅に着くと、乗り換え電車の時間がないことが判明、バスを飛び降りる。電車に乗ったら、行き先が違った。慌てて降りる。キャリーバッグがない。バス停に戻る。運転手に訊ねようと乗り込んだら、その途端バスは走りだした。キャリーバッグは交番に届けたという。5400円は戻ってこないかもしれないな、と思いながら諦めてシートに尻を沈めた。
キャリーバッグは透明のプラスチック製で、100円ショップで売っているドキュメントケースを巨大にしたような代物である。ちゃちなキャスターが付いている。頑丈さに不安を覚える。キャリーバッグの中には、歯ブラシやらコップやら、歯磨き機能が満載であった。ジェットウォッシャーや水のバッグもついていて、水道がないところでも使える仕様らしい。
結局、私はキャリーバッグに荷物を入れることができなかった。大きなボストンバッグとその歯磨き用透明キャリーバッグを抱え、バスに乗る。人々の視線が痛い。やはり荷物を入れたほうが歯磨き用具は目立たなかったか……。
駅に着くと、乗り換え電車の時間がないことが判明、バスを飛び降りる。電車に乗ったら、行き先が違った。慌てて降りる。キャリーバッグがない。バス停に戻る。運転手に訊ねようと乗り込んだら、その途端バスは走りだした。キャリーバッグは交番に届けたという。5400円は戻ってこないかもしれないな、と思いながら諦めてシートに尻を沈めた。
2015年4月12日日曜日
2015年4月1日水曜日
四月一日 印度菩提樹
インドの紙は、インドの匂いがする。その紙を触った私の手は、やっぱりインドの匂いがする。インドの匂いを嗅いだ私の鼻は、何やら悟りをひらいたらしく、さっきから荘厳なくしゃみを連発している。(92字)
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