2014年8月8日金曜日

八月八日 宅配便

今日は荷物がよく届く日だ。


ビールと米とハガキ。それからこちらから本を送った。


アイスティーを飲んで一息ついたら、また宅配便が届いた。


 


よく酒が染み込んだケーキ。


甘くて、少し酔っ払った。



2014年8月2日土曜日

八月二日夏祭り

踊り踊るなら、提灯の数を数えるのはやめておいたほうがいい。


と、アイスキャンディーを食べながら、甚兵衛姿の少年が囁いた。


「え?」と振り返ったら、水鉄砲の攻撃を受ける。


顔が濡れたまま、踊りの和に入った。数えない、数えないと思っているのに、いつのまにか、踊りながら提灯の数を数えている。


「丸丸商店街」の文字が網膜に焼きつく。「1、2、3、4、5……」


何の唄が流れても、炭坑節を踊ってしまう。



2014年7月29日火曜日

七月二十九日 簾

朝日の入る窓に簾を掛けたら、日焼けするからイヤだと簾が拗ねる。


日焼け止めを塗ってもまだ拗ねるので、紐であっちこっち縛ってやった。



2014年7月27日日曜日

七月二十五日 太古からの謝罪

老人が書き残した古代の仮名は、「ワ」と「リ」と「イ」だった。


何を謝っているのだろうか、と考えながらの帰り道、四人の知らぬ人に「スミマセン」だの「失礼しました」だの謝られて、


益々持って意味がわからない。あまり謝られてばかりいるのも不安になるものだ。


おもわず「ただいま」というところを「ごめんなさい」と言ってしまった。



2014年7月21日月曜日

七月二十日 ラグマット

十五年ぶりに交換した古いラグマットは空飛ぶ絨毯だったらしい。


切り刻んで処分しようとカッターを持ってきた途端、飛んで逃げてしまった。


あんなに汚いままで大丈夫だろうか。掃除機くらい掛けてやればよかった。



2014年7月11日金曜日

七月十一日 雲の間

瞬く間に重暗い雲が現れた。雨が振り出さぬうちに帰ろうと、空を見上げながら早足で歩く。


厚い雲の隙間から、傘が見えた。「え?」と思って目を凝らすと、やっぱり傘だった。よく見ればあっちにもこっちにも傘がある。


雲の上の人は、どうやって傘を使うのだろう。そんなことを考えていたら、いつの間にか歩みが遅くなってしまった。


ああ、雨が降ってきた。どんなに目を凝らしても、もう雲間に傘は見えない。



2014年7月4日金曜日

七月四日

飲むべき薬を飲む日までのカウントダウンが始まった。


相応しい梅雨空。



製作モードに入ると書きたくても言葉が出てこなくなります。


ってなことで、こちらで製作日記を書いています。