サンタクロースは世の人々がクリスマスを思い浮かべる前に、すべての支度を済ませなければならない。
なのに、年々イルミネーションの点灯は早くなるから(おまけに派手になっているときてる!)、サンタクロースは早々にその支度を終えて、暇を持て余している。
トナカイたちもずいぶんと前から起こされソリに繋がれる。
サンタクロースもトナカイも、プレゼントまでもが待ち草臥れて、イヴの晩にはぐったりだ。
主の平和、新鮮なクリスマスを望みなさい。
2008年11月11日火曜日
2008年11月10日月曜日
2008年11月8日土曜日
2008年11月7日金曜日
2008年11月5日水曜日
2008年11月4日火曜日
2008年11月1日土曜日
マリーの部屋
十二の誕生日に、マリーは「博士」からモノクロの薔薇が写った大きなポスターを贈られた。
窓のない壁、白いベッドとデスク、映りの悪い古い白黒テレビがあるだけの部屋が少女の世界の全てだった。大きな平面の薔薇は、生まれて初めて得た装飾だった。
まもなくマリーは「赤」を知り、ポスターの薔薇の花びらを塗ることを覚える。己が股間をまさぐった手指で薔薇を撫で続けた。数日して赤が少なくなると、深く指を入れて抉り取ろうとした。マリーは薔薇が赤いとは知らない。赤の他も知らない。けれども、そうしていると重怠い身体が鎮まるような気がした。
巨大な薔薇の花は月毎にその赤を上塗りされ、甘くすえた臭いを放つ。
窓のない壁、白いベッドとデスク、映りの悪い古い白黒テレビがあるだけの部屋が少女の世界の全てだった。大きな平面の薔薇は、生まれて初めて得た装飾だった。
まもなくマリーは「赤」を知り、ポスターの薔薇の花びらを塗ることを覚える。己が股間をまさぐった手指で薔薇を撫で続けた。数日して赤が少なくなると、深く指を入れて抉り取ろうとした。マリーは薔薇が赤いとは知らない。赤の他も知らない。けれども、そうしていると重怠い身体が鎮まるような気がした。
巨大な薔薇の花は月毎にその赤を上塗りされ、甘くすえた臭いを放つ。
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