百年に一度の星降る夜に、屋上で寝転がる。
コートを着て、マフラー巻いて、手袋付けて。
星は予想以上によく降った。
キラキラと星が落ちてくるのを眺めていると、なんだか宇宙に引き込まれそうな気持ちになる。
細かい星だから、口や鼻にも入って来る。くしゃみが止まらない。
あちこちのビルからくしゃみが聞こえてきて笑ったら、もっとくしゃみが出た。
あの子も星を吸い込んでくしゃみをしているかな。
そういえば、僕はまだ、あの子のくしゃみを聞いたことがない。
《Piano》
2006年2月9日木曜日
友からの手紙
絵画を前にして大声をあげて涙を流すのは初めてだったよ。
もっとも君は、私がこの絵の中の婦人と話していることのほうが驚くだろうけれど。
彼女の声は、どこまでも美しいが、時折動けないことを嘆き震えた。
友よ、私はどうしたと思う?
絵画に手を差し入れて、婦人を引っ張りだそうとしたのだ。……私は婦人に恋をしていた。
存外、簡単に手は入った。肘も入った。けれども、何も触れるものがない。
「もっと奥よ」と彼女が言うので、私は目一杯腕を伸ばして、中を探った。動かせるだけ動かした。
「ありがとう、もういいわ……」と涙声が聞こえて、私は仕方なく手を抜いた。
絵の中に彼女はいなかった。何が描いてあるのか、わからなくなっていた。私が目茶苦茶に手を動かしたから、絵が掻き混ぜられたのだと理解した。
その証拠に私の腕は、絵の具で塗れていた。
私は己の手で、愛しい人を消してしまったのだ。……一度も触れることなく!
《Lute》
もっとも君は、私がこの絵の中の婦人と話していることのほうが驚くだろうけれど。
彼女の声は、どこまでも美しいが、時折動けないことを嘆き震えた。
友よ、私はどうしたと思う?
絵画に手を差し入れて、婦人を引っ張りだそうとしたのだ。……私は婦人に恋をしていた。
存外、簡単に手は入った。肘も入った。けれども、何も触れるものがない。
「もっと奥よ」と彼女が言うので、私は目一杯腕を伸ばして、中を探った。動かせるだけ動かした。
「ありがとう、もういいわ……」と涙声が聞こえて、私は仕方なく手を抜いた。
絵の中に彼女はいなかった。何が描いてあるのか、わからなくなっていた。私が目茶苦茶に手を動かしたから、絵が掻き混ぜられたのだと理解した。
その証拠に私の腕は、絵の具で塗れていた。
私は己の手で、愛しい人を消してしまったのだ。……一度も触れることなく!
《Lute》
2006年2月8日水曜日
2006年2月6日月曜日
Rendezvous
ほうれん草の缶詰が好きなアイツが華奢なあの娘と踊ってる。
ほら、ご覧!錨のマークもスウィングしてるよ。
よしな、あの娘は他の野郎は目に留まらないんだ。
妬けるねぇ、まったく。
《Cornet》
ほら、ご覧!錨のマークもスウィングしてるよ。
よしな、あの娘は他の野郎は目に留まらないんだ。
妬けるねぇ、まったく。
《Cornet》
2006年2月5日日曜日
2006年2月3日金曜日
2006年2月2日木曜日
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