産まれたばかりの赤ん坊が、息もつかずに喋り続けている。
「誰と喋ってンだろ。」
僕は外に出た。弟の交信相手を探すために。
弟の声が小さくなるのと入れ代わるように別の声が聞こえてきた。
一度も途切れず続く喋り声。何を言ってるのかわからないけれど。
「この声だ」
慎重に声を辿る。
もう家は見えない。まだロクに外に出たこともない赤ん坊がこんな遠くまで声を届けているなんて。
だんだんと近付いているのがわかる。弟の交信相手はもう、すぐそこだ。
相手に会ったらなんて挨拶しようか…たぶん赤ん坊だよな。
立ち止まった僕は段ボール箱の中で鳴く子猫を抱き上げた。
《Highland Pipe》
2006年1月9日月曜日
2006年1月5日木曜日
2006年1月3日火曜日
超合金の目玉が空を見る
超合金のトラちゃんが、女の子を背に乗せて歩く。
まるく冷たい肉球で大地を踏み締める。
「トラちゃん、見て」
と女の子は空を指差す。
「どれどれ?」
トラちゃんと女の子は色とりどりのキャンディがキラキラと輝きながら降ってくるのをうっとりと眺めた。
《Sitar》
まるく冷たい肉球で大地を踏み締める。
「トラちゃん、見て」
と女の子は空を指差す。
「どれどれ?」
トラちゃんと女の子は色とりどりのキャンディがキラキラと輝きながら降ってくるのをうっとりと眺めた。
《Sitar》
2006年1月2日月曜日
Cat's Tears
洗濯物を干していたら、猫がやってきて私の足にじゃれる。
くすぐったいので、ひょいと抱き上げたら、猫ははらはらと涙を流していた。
とめどなく流れる涙が朝日を浴びてキラキラしている。
「悲しいの?」
と猫に聞いた。猫は違うという。
「痛いの?」と聞いても「苦しいの?」と聞いても「寂しいの?」聞いても違うという。
猫は消えいるような声で、すごく楽しい、と鳴いた。
《Soprano Saxophone》
くすぐったいので、ひょいと抱き上げたら、猫ははらはらと涙を流していた。
とめどなく流れる涙が朝日を浴びてキラキラしている。
「悲しいの?」
と猫に聞いた。猫は違うという。
「痛いの?」と聞いても「苦しいの?」と聞いても「寂しいの?」聞いても違うという。
猫は消えいるような声で、すごく楽しい、と鳴いた。
《Soprano Saxophone》
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