2003年3月9日日曜日

ヘソマガリはヘアピンをたくさん付けて塀を歩く。
「へっちゃらさ。」
すれ違う人にぺこり。

ヘリクツはペガサスにまたがり平野を翔る。
「まったく、辟易するね」
ひどいペシミスト。

ヘナチョコはヘリコプターで四国遍路。
「へとへとだよ」とへたりこむ。

ペテンシはへんちくりんな変装でへらへら笑ってる。
年中へべれけ。

ヘイタイはぺろぺろべたべたベッドの中で別世界。
へなへなでぺちゃんこでへっぴりごし。

2003年3月7日金曜日

ふわりふわり風船が降り積もり、ついに富士山が見えなくなった。
膨れた風船が次々と不時着しているのだ。
長い間風雨にさらされた風船たちは皆ファニーフェイスだ。
不器用なのや複雑すぎるのは、どこにでもいるもので膨れすぎて自爆したりぶつかって破裂する風船も後を断たない。
風雲児は数が少ない上に、不運な目に合うか、口先ばかりで腑甲斐ないかのどちらかで実に頼りない。
一方で風癲や風来坊もいて、こちらは気持ちよさげに浮流を続けている。

不条理だって?ふざけちゃいけねぇ。
古い文献にも書いてあるよ。たぶんね。

2003年3月6日木曜日

火を暇そうに弄んでいる美少女。
「それ、熱くないの?」
「冷えてる」
「火花が飛んでるよ」
「飛沫は飛んでる」
「火だるまになるよ」「びしょぬれ」
「火種は何?」
「秘密」
そう言うと美少女は瓶に火を入れて振って見せた。
ぴちゃんぴちゃん

2003年3月5日水曜日

歯抜けの番人はパントマイムが好きでパラパラと奇妙な動きで働いている。
番人の仕事は旅籠屋の腹黒く嫌われ者の経営者の屋敷の蝿取りと
晩鐘を打つことだけ。
が、番人はとても楽しく働いた。
そしてどこかの芝居の端役のように何事か話ながらパラパラと動いた。
町の人は番人を白眼視した。
そして旅籠屋の事もますます悪く言った。
「旅籠屋は白痴か発狂人を雇っている」
「馬鹿が屋敷を徘徊してる」
だが禿の旅籠屋は馬耳東風、実は彼らは莫逆の友なのだ。
確かに番人は賢くはない。だが蛮力にも白面があることを知っている。

2003年3月4日火曜日

のんきなのんちゃんは野遊びが大好き。
野バラを摘んで野道をずんずん歩きます。
野ウサギの巣を覗き込んだり、伸び上がってキツツキの穴をつついたりします。
小川の水をごくごく飲んだり、野蒜をかじったり
野原に寝転がってのんびりします。
ボロ屋の軒下で野宿したり、野武士に襲われてのたうち回ったりします。
のんちゃん野垂れ死に。

2003年3月3日月曜日

寝癖頭のネコは願い事をします。
「ネズミに値引きされませんように」
寝坊助ネコは練り餡屋さんです。
大事な練り餡を安く売っていては好物のネギが買えません。
ネズミは念力使い。念力で熱雷を作ります。
砂漠の水不足を解決しようと粘り強く修業しました。
ネズミの念力には練り餡が欠かせません。
大量の練り餡と一本のネジからネズミ花火を作り、それを大きくして熱雷にし、雨を呼ぶのです。
頻繁に雨が降り、おいしいネギがたくさん採れるようになりました。
ネコには内緒。妬まれてるけど、内緒です。

2003年3月1日土曜日

盗人が抜き足差し足で盗んだのは、ぬいぐるみだった。
盗人は、抽んでた技術を持っていた。
主の興味がなくなった…つまり忘れられたぬいぐるみだけを間違いなく抜き出して盗むのだ。
万事抜け目なくやりとげる。
そして家に帰り、ほつれた縫い目を修繕し、温い湯にゆっくり浸かった後、ぬくぬくとぬいぐるみを抱いて眠るのだ。