2025年12月13日土曜日

暮らしの140字小説51

十二月某日、晴。小瓶が洗面台に落ちた。小瓶はゴミ受けを弾き飛ばし、排水口の中に吸い込まれた。浅いところで引っ掛かっているので割り箸でつまみ引き上げると、透明だった瓶は玉虫色に変わっていた。そもそもこの小さな瓶がいつから洗面所にいるのか何の瓶だかも判らない。何度捨てても戻ってくる。