2025年12月3日水曜日

暮らしの140字小説50

十二月某日、晴。機嫌がよいフリをして口笛を吹こうとしたが、音が出ない。ゴキゲンな「フリ」なのがバレてしまったせいか、口笛がヘタになったのか。「フィー」とも「ヒゥー」ともつかない音で何度もトナカイを走らせようとしたが、ルドルフでも赤鼻でもないナニカが只管に倒つ転びつするのみだった。