超短編
四月某日、雨。石鹸がない。長く使ってきた日用品が店頭から姿を消すことが増えた。いくつかの店を回り、それでもなければ代わりを求めることになる。使い心地も見た目も値段も好ましいものなど、そう簡単に見つかるわけがない。新しい品を探し当てる喜びは、若さとともに何処かに置いてきてしまった。(140字)