2012年12月20日木曜日

だんご天国マカロン地獄

「焼き団子の雲は、歩き心地がいいんだよ」


と、「二度死んだ男」を名乗る人は言った。


「へえ。天国ってのは、お団子なんですね。食べられるんですか」


「ああ、もちろん。香ばしい香りがしているからね。ちぎって食べるんだ。うまいぞー」


その人は、そういうとズズズと安い焼酎を啜った。


「地獄ってのは、ほら、アレだ。マキロン。あのへんな、ピンクとかミドリとか、丸いやつ」


「マカロンですか?」


「そう、それそれ。あれは、歩けねえ。地獄とはよく言ったもんだねー。足がズザッズザッとはまっちまって。なかなか抜けねえ。雪を歩くより難儀イな」


「マカロンは食べましたか?」


「甘ったるくて、よくわかんなかった。ありゃ、へんな食い物だね」


私は翌日、デパートの地下でマカロンをたくさん買った。地獄に堕ちて、マカロンに埋もれるのも、悪くないと思うのだけど。