2011年12月20日火曜日

悪戯者の鴉

駄菓子屋の主人に問い詰められた鴉は、「その男と友達になりたかったのだ」と供述した。
愛すべき愚鈍な男は、毎日家の前に落ちている好物のキャラメルを拾って食べてはニッコリした。鴉は傍らの電線で、男の笑顔を見ては、またキャラメルを盗みに駄菓子屋へ飛んでいった。
男は、これまでのキャラメルを並べると、「LOVE」の文字になるという、鴉の高度な悪戯には、遂に気づくことはなかった。