2003年4月21日月曜日

午後二時

午後二時って空白の時間だよなぁ。
眠い午後の授業中、時計を見上げてフトそんな思いがよぎった。
子供の時は昼寝や遊んでいるうちに過ぎ去ってしまっていた。
小さい子はおやつの三時がメインで、その前は印象が薄いんだよね。
出掛ける支度とか、待ち合わせとか、見たいテレビとか、
そーいう意識しなきゃいけない時間にも、あんまりあてはまらないし。
実際、午後二時に気付かない日って多いよなー。なんかかわいそー、二時って。
その時見たんだ、時計の針がすごい速さで回るのを。
そうか、二時は本当に早く進むんだ!
大事にしよっと。

2003年4月19日土曜日

13時

昼休みになるのが待ち遠しかった。
今日は朝からK屋の「ハムチーズサンド」が食べたくて仕方なかったのだ。
私はほとんど小走りでK屋に向かい、無事ハムチーズをゲット、グレープフルーツジュースも一緒に買った。
このハムチーズはチーズがカマンベールで、とっても贅沢な気分になれる。
ああ、早く戻って食べよう。
仕事場へ戻る足取りはフワフワに軽かった。
お昼ご飯を買っただけでこんなにウキウキするなんて、ほんと安上がり。
お腹が空いてるからだけじゃ、こんなに身体が軽いわけないよね。
気付けば町はおもちゃのように小さくなっていた。

2003年4月18日金曜日

正午

まだ花に水をやってないことに気付いた私は庭に出た。
きのうまで元気だったチューリップたちが一斉に落ちてしまい庭は幾分静かになっている。
ァアーーーーー
正午のサイレンが聞こえてきて、私は少し顔をしかめた。
なんだか焦燥感というか、追い立てられているような気がして聞くたびに心が波立つのだ。
サイレンが鳴り止むと私は小さく深呼吸をしてから
ブリキの如雨露を再び傾けた。
シャワーは虹を作った。
私は飽きもせず、小さな雨の行方を見守る。
雨はいつのまにか、赤黒い血に変わっていた。
遠くでサイレンが聞こえる。

2003年4月16日水曜日

AM11:00

「うわっ!」
私はブレーキを踏み、息をついた。
渋滞の時でなくてよかった…・・・。
ここは都内の環状線。
先頭で信号待ちになった私は、カーラジオに耳を傾けながら赤信号を睨んでいた。
十時台最後のニュースが終わり、十一時の時報…
ピ・ピ・ピ・ポーン
それとぴったり同時に信号は青になった。
私はほとんど反射的にアクセルを強く踏み、車は急発進…・・・というわけだ。
私はもう一度呼吸を整えしっかりと前を見て驚いた。
今度こそ急ブレーキをかける番だった。

浮世絵でしか知らない、江戸の町が今ここにあるのだ。

2003年4月15日火曜日

10時

雨の日の二時間目、国語、とくれば退屈の極みだ。
時計はなかなか進まない。
私は頬杖をついて、結露越しにぼんやりとグラウンドを眺めてた。
雨はいい降りで、もちろん体育なんかやってない。
グラウンドも空も、ひたすらどんよりとしていた。
それでも棒読みで教科書を読むセンセーよりはマシな気がする。
私は、校庭の真ん中にもやもやしたものがあるのに気付いた。
くねくねしている。少しづつ見えてきた。
……ピエロだ。
踊るピエロ。
なんだかゴキゲンになってきた。
もう雨の日も退屈しない。

2003年4月13日日曜日

朝九時

リ、リリリーンリリリーン
朝の家事は忙しい。
手を抜いても気合いを入れても、毎日仕事がある。
私は家事が嫌いではない。掃除も料理も洗濯も、それなりに楽しみを持ってやってる。
でもやっぱりバタバタしてる時に電話がなるのは嬉しくない。私はイライラしたまま受話器を取った。
「はい」
「もしもし、まぁちゃん?」
相手は私を子供時分の呼び方で呼んだ。
「あの、どちら様で……」
「覚えてないんだね。あんなに遊んだのに」
「えっ…と」
「にゃんたん、だよ」
ぬくぬくとした感触と匂いが甦る。私の最初のともだち。

2003年4月12日土曜日

午前八時

朝八時。オレは走ってる。朝練だ。
毎日変わらない景色。変わらないタイム。もはや惰性だ。
やれやれ次の角を曲がれば終わりだ。
オレはその時初めていつもと雰囲気が違う事に気付いた。
景色は変わりない。学校の裏門前の道。
だが、実はよく見えない。
いつのまにか霧が異常に濃くなっているのだ。
こんな濃い霧は初めてだった。
なんだか、夢の中にでもいるような、心許ない感じだ。
すぐ前にいたはずの先輩も見えない。
50m程で着くはずの門になかなか辿りつけない。
オレは急に不安になった。
オレ、ひとりぼっちじゃん。