2012年11月26日月曜日

音符の行進

ある朝、目が覚めると昨日練習した楽譜からすっかり音符がこぼれていた。


慌てて僕はバイオリンを構えて、調弦もそこそこにその楽譜のメロディーを弾いてみたけれど、音符は楽譜に戻らない。


それでも音符は音になりたくてうずうずしているから、思い切って部屋のドアを開けた。


すると、音符たちは嬉しそうに表へ出て、お行儀よく行進し始めたのだ。


僕は音符たちの後をついてバイオリンを弾いた。通りを歩く皆が手拍子してくれた。とびきりご機嫌の朝だ。