2012年4月7日土曜日

虹の翼

虹は、誰かに翼を貰うことを思いついた。かねてから翼が欲しいと思っていたのだ。


鴉に貰おうか? いや、あの真っ黒い翼はスペクタクルな自分には似合わない。


白鳥に貰おうか? ちょっと大きすぎる。


ならば鷲に貰う? あんなに鋭く飛びたいわけではない。


そうだ、天使に貰おうではないか。


ちょうど通りかかった天使に「翼を下さい」と頼んだら、すぐに了解の返事が来た。


「そのかわり。私を地上まで降ろしてください。翼を取ったら、ここでは生きられませんから」


虹は、早速身につけた翼ですぐにでも飛びたい気持ちをぐっと堪えて、天気雨の中、ゆっくりと地上まで伸びていく。


赤子の姿になった天使は、「じゃあね」とウインクして、するすると虹を滑り降りていった。