2008年7月18日金曜日

朝市の順路

五と十の日に朝市が立ちます。八月だけは特別です。
朝三時に起きて、仏壇に手を合わせます。それから左足から靴を履いて、右足から歩きはじめます。
一つ目の電信柱に登って、町を眺めます。そこで今日の市の立つ場所を探します。市の場所は、火の玉が浮かんでいるから、わかります。今日は、お稲荷さんの前の道のようです。
お稲荷さんのそばに来ると、買い物籠を抱えた小母さんたちが方々から集まってきます。八月の朝市は特別に安いから、小母さんたちは朝から元気です。
私も小母さんたちの流れにあわせて、頑張って歩きます。
店番は幽霊です。でも品物はお化けじゃありません。今日は枝豆と茄子をたくさん買うつもりです。小母さんのお尻にぶつかりながら、通りを歩きます。
やっと目的の店を見つけて、私は駆け足になります。
枝豆と茄子を、母さんが籠に入れてくれます。お金を冷たいてのひらに載せます。市が畳まれる六時まで、私は母さんの傍にいます。母さんが働くのを見ます。
母さんは忙しそうに働いてます。でも、私には、お手伝いすることができない。そういう決まりなんです。