2006年7月19日水曜日

天の綺羅

「綺羅星が邪魔なのよ」
と姫が言う。
夜空に輝く無数の星、美しいではありませんか。
「闇こそ美しいのよ!夜は闇でなければならない。綺羅星を制すにはどうしたらよいかしら」
姫は絹という絹を集め、途方もなく大きな薄織物作らせた。
「綺羅星を綺羅ですっかり包み取ります」
いってらっしゃいませ。
姫が天に旅立った後、ますます夜はキラキラと明るくなった。

*綺*