2005年8月16日火曜日

鮫肌デパートのパビムン

ぼくの町の「七不思議」の一つに『鮫肌デパートの北エレベーターに四階から乗るとパビムン』
というのがある。
これにはいくつか条件があって
・昇りであること
・誰もいないエレベーターに乗ること
・お昼の十二時台であること
以上をすべてクリアしなくちゃいけない。
ぼくはこの手の話は信じないタイプだが、どうしても「パビムン」が気になっていた。
誰に聞いても「パビムン」が何かわからない。辞書にも載っていない。
 ぼくは夏休みを使って鮫肌デパートに通った。
四階の北エレベーターの前に立ち、「△」ボタンを押し続ける。
開いた時に人がいてはダメだ。中の人に「あら、乗らないの?」なんて言われて気まずくなってもガマン。
一時間はあっという間に過ぎていく。
そしてまた、ドアが開く。
誰もいないエレベーター。
初めてのチャンス。
「パビムン」