2004年1月25日日曜日

かぼちゃ

おたきさんは、パンプキンパイを焼く名人だ。
今日もおたきさんは特大パンプキンパイを焼き上げた。
「うーん、いい香り!さっそくご近所に配らなくちゃ。」
おたきさんのパイを楽しみにしている人は16人。
だからとびきり大きなパイを焼く。
ところがどっこい、パンプキンパイは逃げ出した。
テーブルを飛び降り、窓から飛び出し、ごろんごろん。
庭を横切りごろんごろんごろんごろん。
「だれかー。そのパイを捕まえてー」
おたきさんの叫びを聞いてみんなが出てきた。
「こりゃ大変、おたきさんのパンプキンパイが逃げ出したぞ」
村一番の早足が追いかけていったが、しばらくしてすごすごと帰ってきた。
「今年最後のかぼちゃだったのよ」
おたきさんの言葉を聞いて、みんながっくり。
そのころパンプキンパイは森の小人の村にいた。
小人は大喜び。こんなおいしいパイははじめてだ。
小人たちがたらふく食べてちょっぴり欠けたパンプキンパイ、さよならして走り出した。
ごろりんごろ ごろりごろん ごろんごろり ごろごろ
帰ってきたパンプキンパイ、おたきさんも村人も大喜び。あぁよかったね。