2003年6月21日土曜日

星でパンをこしらえた話

「星を拾いにいきたい」
「この前行ったばかりだろう」
「いいからいいから」
ぼくは一晩かけて大量の星を拾った。
何も知らない小父さんは退屈そうだったけど。

翌日、ぼくは星を丁寧にこねて、オーブンに火を入れた。
夕方、小父さんの前でオーブンを開く。
おいしい香りが部屋に広がる。成功だ。
星でできたパンは大きくてまんまる。お月さまみたい。
小父さんは目を丸くした。
星でパンを作るとは思ってもみなかったみたいだ。
焼きあがったパンを持って友達に会いにいこう。
ピーナツ売りや黒猫、道化師やマネキンにもおすそわけ。