2003年6月4日水曜日

押し出された話

「行き止まりだよ!」
逃げ込んだビルとビルの間に抜け道はなかった。
ぼくたちは流星の暴走族に巻き込まれて逃げていた。
正確に言えば、小父さんが流星たちに追われていた。
ぼくはとばっちりを食らったのだ。
「その壁に張りついてろ!」
後から声がかかる。小父さんよりぼくの方が足が速い。
「待ってろよ!」
小父さんはためらいもなく突進してきた。
ついに小父さんはぼくに追突した。
そのままグニグニと壁に身体を押しつけてくる。
苦しい……

「平気か?少年」
壁の向うは、見たことのない道具がたくさんある部屋だった。