私が歩いた跡にはスイカの種が落ちる。種はどこに落ちてもその場で育ち、とても小さなスイカの実になって私の元へ転がって帰ってくる。私はスイカの実を拾い上げると「よく帰ったね」と撫で、ポイと口に放り込む。季節に関係なく甘い。そしてまた私はスイカの種を落としながら歩むのだ、命尽きるまで。(140字)
2023年11月2日木曜日
2023年10月31日火曜日
2023年10月17日火曜日
2023年10月4日水曜日
#イメージの色見本 ④秋
冷たい風が首筋を駆け抜ける。踏切はなかなか開かない。天高く警報音が鳴り響いている。空を見上げれば雲のふりをした鰯が泳いでいる。今年は雪が積もる前に故郷に帰ろうか。そんな事を考えていたらやっと電車が見えてきた。いや、電車のふりをした龍だ。(118字)
2023年10月1日日曜日
2023年9月20日水曜日
#イメージの色見本 ③故郷
急坂の途中の林でザリガニを釣ってはいけないよと大人は言う。沼に落ちた子は帰ってこない。「どんぐり拾いは?」と問えば「それはどんぐりに訊いてみな」と言われた。「どんぐり拾っていいですか? イテ」つむじに命中するどんぐり。今年も許可が出た。(117字)
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