2012年7月25日水曜日

失くした傘を探した話

傘は、雨が降っている間はそれはそれは従順だけれども、雨が上がってしまえば拗ねる。


いや、気がそぞろになるのかもしれない。傘が閉じられる、それはつまり骨同士がひどく接近することだ。これではろくなことはないだろう。


というわけで、雨上がりの夏の夜、傘をどこかに忘れてきてしまった。電車の中かしら、レストランかしら、とあちこち電話で尋ねてみたら、傘はデパートの靴売り場にあった。


よく似た色の長靴の傍で見つかったそうだ。私は靴売り場の店員に丁重に礼を言い、傘と同じ色の長靴を買って帰った。