2011年11月20日日曜日

蛇を恐れる動物

あるところに気の弱い蛇がいた。我々蛙が怖いのだそうだ。
蛙は食いたい。だが怖い。
あのギョロっとした目とか、ヌメっとした肌とか、オタマジャクシだったくせにとか、蛇に話を聞くとそんな言葉が返ってきた。
そっちこそ、蛇のくせに。

我々だって、好きで喰われるわけじゃないから、ヌメっとした肌をよりヌメっとさせて、ギョロっとした目を一層ギョロっとして、蛇の襲来に備えた。
けれど、残念ながら、大勢の蛇はそんなことでは怯えない。
次々と仲間が蛇に喰われる。

とうとう気の弱い蛇も我々を襲う決心をしたらしい。おずおずとこちらに向かってくる。
ギョロっと睨んだら、後ずさった(正確な表現ではない)。しかし、そのせいで、人間の子供に見つかった。
蛙も一緒だ。人間の子供の帽子に入れられた蛇と蛙は、互いの運命を慰め合う。