2010年2月18日木曜日

うたかたの舞

小さな硝子に閉じ込められ、レーナは睫毛を動かすこともできない。一体どれくらいの時が経ったのか知らずに。
レーナは砂時計の砂とともにある。人の手によって、限られた短い時を流れる。
レーナは小さな体をやわらかに回転させながら、流れる砂の中を舞う。何度も舞う。
レーナの記憶は、それが過去なのか未来なのか、わからない。
砂時計が返される瞬間まで、レーナは生きずに生きていく。