2008年5月22日木曜日

部屋の四隅

部屋の南の隅から小さな赤い鳥が出て来たので、夏になったことを知る。
しばらくはこの小さな赤い鳥がぼくのベットだ。
青い竜がいなくなってからだいぶ経つもんな。竜がいなくなってしばらくは、退屈で東の隅ばかり見ていた。いつも壁からすっと出てきてすっと消えてしまう。ぼくが触ってもただの壁なのに。
赤い鳥は結構ワガママで、小鳥のくせに、ギェと大きな声で鳴くからうるさい。
冬の黒い亀はちっとも動かないからつまらない。だから、秋の白い虎がペットとしては一番の遊び相手になる。
赤い鳥のうるさい鳴き声を聞きながら、早く秋にならないかとため息をつく。