2006年12月23日土曜日

ほろ酔いの恋

僕はコーヒーを飲み干したことがない。
こんなにコーヒーが好きなのに、すぐに酔ってしまうのだ。
コーヒー酔っ払いになったぼくは、すぐ恋をする。
コーヒーを飲みながら一人で本を読んでいる女の人を見つめてしまう。
見つめているだけでは物足りなくて声をかけてしまう。
映画でも小説でも言わないような台詞を吐いて、手の甲にキスをしてしまう。
驚く彼女の視線を背中に感じながら、ふらつく足元を隠して出来るだけスマートにカフェを去る。
それがいつものパターン。
ぼくがコーヒーを飲み干したら、その時だれかを見つめたままだったら、それは本当の恋のはじまりかもしれない。