2005年4月10日日曜日

突きとばされた話

「ギャン」
少女は車道に飛び出した。月は少女の腕を掴む。その鼻先を自動車が通った。
「どうした?キナリ」
「背中押された」
「そりゃ、流星だな」
しっぽを切られた黒猫が毛を逆立てて自動車を追い掛けていった。
「ぅおーい、ヌバタマ!自動車のせいじゃないぞ。あ~行ってしまった」
「ナンナル、だいじょうぶだよ。しっぽがヌバタマのところに連れていってくれるから」