2005年3月30日水曜日

A MEMORY

月が石につまずいた。
「おっとっと。おや、この石は631年前にも会ったことがある。懐かしいなぁ!」
「なつかしいってなに?」
少女が尋ねる。
「昔のことを思い出すと、懐かしい気持ちになる。キナリは小さい時のこと、覚えているか?」
「わからない。でもおばあさんだった時のことはよくおぼえてる。手も足も痛いし、すぐ疲れるし、耳はよく聞こえないし、おばあさんはもうこりごりだったよ!」