2005年3月13日日曜日

危機一髪

「プップーー!!!」
クラクションと急ブレーキの悲鳴に、ぼくは振り返った。
たった今渡り終えた横断歩道の真ん中で黄色いビートルが停まった。
?!
ビートルの上に何かが浮いている…。黒と黄色のまだら。
数え切れないほどのアゲハ蝶が、二年生くらいの男の子を包むように取り巻いていた。
アゲハ蝶の大群は、ぼくのすぐ脇まで来て男の子を地面に降ろすと、あちこちに散っていった。
男の子も、駆けて行った。