2003年11月3日月曜日

掃部くんの正体のこと

「あんちゃーん」
「モンドくんが帰ってきたな」
主水くんは大きな水瓶を抱えて帰ってきた。
「掃部、洗ってやるから、その汚いのを脱いだらどうだ。博士も着替えて下さい」
いそいそと着替えるションヴォリ氏の脇で掃部くんは駄々をこねる。
「いやーん」
そう。掃部くんは変な動物の皮を着た主水くんの弟で、みずみずしい子供なのだ。
掃部くんは掃除をするように生まれついたのにも関わらず汚れた皮をいつも着ていてなかなか洗濯をさせない。
主水くんに無理やり皮を剥がされたすっぽんぼんの掃部くんは、もはや変な動物ではない。